海外旅行が決まったら、早めに必要な情報を集め、出発直前や旅行中にとまどうことのないようにする。
1)現地の事情を知る方法
(1)経験者からの聴取
(2)市販のガイドブックなど
(3)インターネットなどのオンライン情報
2)知っておくべきこと
(1)移動の方法
移動のルート、代替ルート、移動方法、各地の交通事情
(2)気候と服装
気温、年較差、日較差、雨量、積雪量、砂ぼこりなど、服装や装備に必要な事項と実際の服装のようす
(3)安全の程度
ホテルから外出しても安全な時間帯、地域、対日感情、禁句など
(4)電源
コンセント形状と電圧
(5)水、食べ物
火を通さずに飲食できる水や食べ物
(6)言語
使用されている公用語や英語・日本語の通用度合いなど
(7)通貨とチップ
通貨の名称とおよその換算レート
チップの必要度
3)連絡帳
最も重要な連絡先は2つの書類に記録しておくぐらいの心構えで。
・現地での連絡先一覧
・日本の関係者の連絡先一覧
自分が不在の時、他の仕事で関係ある相手も含む。
4)携帯品のリスト
日頃から必要と思われるもののリストを作成しておく(国内でも同様)。
自分で予約、変更ができるようにする。少なくとも変更、解約方法は必ず知っておく。自分に原因がなくても、航空機の遅延、欠便などによるトラブルは日常茶飯事と心得る。
1)ホテルの予約と変更・解約
(1)予約はしっかり
ホテル、航空券の予約番号は、非常に重要。記録し携帯する。米国のホテルでは、一般に予約者のカードでギャランティする方法がとられる。ギャランティなしのホテルでは、勝手に解約されてしまうことがかなりある(実例多数)。
(2)解約ははっきり
解約は時間が指定されることも多い。夕方6時を基準にして、24時間前、6時間前などと指定される。指定のある場合は、この後に解約連絡してもカードから全額引き落とされることになっている。チェックイン予定時刻も重要。これを過ぎて連絡しないと、解約されていることがある。チェックイン予定時刻は余裕を持って通知する。
(3)ホテルの料金
ホテルは料金体系が複雑で、同じ部屋・サービスに対して違いが大きい。訪れる企業等の名前を言うだけで30%程度割り引くこともあるほどで、大きいビジネスでは交渉次第で割り引くところが多い。現地の法人などでディスカウント交渉してもらうとよい。
2)航空券の予約、変更、解約、リカンファーム
(1)座席のクラス
エコノミーのディスカウント・チケットには,1回だけ復便の変更可、または変更料金支払いが必要なものなどがある。
(2)復便の予約
航空券をオープンにすることは避け、予約・購入時に帰りの便を予約しておく。帰りの便の予定が定まらない場合は、滞在可能な最終日あたりに設定しておくと安全。
(3)連絡電話
航空会社の電話番号は重要。米国では無料電話が一般的(800などで始まる)。
あれば、日本語サービスの電話番号を聞いておく。サービス時間の制限がある電話もあるので注意(例えばアトランタ時間の9時−5時)。
(4)航空券のリカンファーム(再確認)
搭乗の3日前から1日前までの間に行う。省略すると予約が解約されることがある。繁忙期はオーバーブッキング(定員より多く予約をとること)が多く、時々トラブルがある。
UA(ユナイテッド)、NW(ノースウェスト)など、大手はリカンファーム不要になったと言われるが、受け付けはする。便の時刻変更などがあるので、その確認のためにもした方が無難。
慣れない場合、リカンファームはホテルなど現地の人に依頼するのが安全。
現地の電話は日本とシステムが違うので注意。ここでは主に米国の例を挙げる。
1)米国のホテルからの通話方法
ホテルの電話には、「DIRECTORY」にかけ方が示してある。それに従っても掛からないときは、次の原則を思い浮かべて、「DIRECTORY」を参考にするとよい。
例えば、011(米国からの国際電話)−81(日本の国番号)−3(市外局番には0を付けない)ー3296ー9200などのようにすればよいが、その前に外線用の番号(8など)を押せばたいていOK。
2)米国の現地国内通話
(1)プリペイド式のクレジットカード利用通話
これで直接かけられるものがある。案内に従ってかけると意外にあっさり掛かることがある。
(2)電話カード通話
米国はAT&Tなどのほか、サードパーティ発行のものがあり、いずれも次のように3回ダイヤルする。
カード発行会社番号 →そのカード固有の番号 →実際の相手の電話番号
慣れないとひどく面倒に感じるが、キャッシュでないので便利。選択式で日本語の自動案内が入る電話もある。中には使用開始後、有効期限6カ月というカードもあるので注意。
台湾には厚めの電話カードがあり、掛け方は日本と似ている。
(3)コイン通話
米国では、接続時と時間経過時にコインを入れさせる案内が入る。
長時間の場合、コインがたくさん必要で料金支払いが面倒。
3)国際通話の料金
国際電話の料金は、かけ方で大きく違う(日本からでも同じ)。
ダイヤル直通なら安いが、パーソナルコールなどは非常に高い。
掛ける側の時間帯が夜間だと料金は半額程度と安い。
地域ごとに、どういう支払方法があるか調べておく。
1)通貨と両替
(1)両替は銀行で
銀行(空港内などの出店を含む)以外は、両替手数料が高いので注意。例えば、ロサンジェルス空港内の一般両替所では、1ドルあたり10円(円に戻す場合はさらに10円)の手数料をとる。銀行でも、地方では手数料が高く、アイダホでは、1回あたり15ドルの手数料をとられた。
(2)空港での両替
現地で両替するために銀行に行くのは結構面倒なので、必要分は日本または到着後直後の空港内銀行で両替しておくのが便利。ただし、日本で両替できない通貨もある。
(3)ホテルでの両替
通常はホテルで両替できるが、やや割高。できないホテルもあるので注意。
2)現金とカード
(1)カードが使える場所
米国でカードが使えない場所はごく特殊な店を除いてほとんどない。数百円でもカードが使われている。ただし、スーパーなどでキャッシュディスペンサーが近くに置かれていて、カードの直接使用は不可というところもある。土産など個人的な買い物も殆どカードでOK。露店の似顔絵描きや小物売りでもカードが使えることがある。したがって現金で買いたたくというケース以外は現金を使うことは少ない。ただ、一般に昼食とタクシーは現金になることが多い。
(2)カードの種類
米国ではMASTER、AMEXならほぼ完璧。日本と違い、VISAは絶対と言えない。JCBの使用できる範囲は日本人の特に多いホテルなどに限られる。
(3)カードの利用限度
カードの限度額、残高に注意する。国内購入の際のボーナス払いなどで、支払いが済んでいないと残高が大きくなっているため、要注意。ただし、ダイエー(OMC)カードのVISAなどでは、国外限度額は別枠の扱いにしてあるので安心。
(4)カードの有効期限
カードの有効期限を過ぎると全くだめ。旅行期間中に切れないように、カード会社に相談すれば、早めに発行するなどの処置をしてくれる。
(5)カードの所持
カードは,使えない場合を想定して2枚は持ちたい。VISA付きのスーパー発行カードは年会費がほとんどかからないので、もしカードの経験のない人はそんなところから始めるのが無難。また,紛失・盗難の際に届ける方法を知っておくことも重要。
3)チップ
米国では、チップとして常に1ドル紙幣が必要。チップは、荷物を持ってもらったとき、ホテルのボーイに物を頼んだとき、ベッドメーキングなどに使う。
(こなみ もりよし)