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銅メダルと銀メダル 小波盛佳
なかなかできないことですが、「勝っておごらず、負けてくさらず」といきたいですね。
2005年06月05日
2006年04月22日改
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夫婦円満の秘訣
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少しふるい話になりましたが、2004年のギリシャオリンピック。レスリングの伊調姉妹はともに優勝確実の前評判で出場していました。
結果は妹の馨が金で姉の千春が銀。試合後のインタビューで千春は仏頂面のままでした。
「悔しいだけです。」と応えた後は、端の席で斜め外を向き、何を聞かれても、「何もありません。」と終始インタビューアーに顔を背けたままでした。
金は頂点に立つのだから何も問題はありません。手放しで喜べます。
一方、トーナメントの場合、銀の人は最後の試合まで勝ち残ってから敗れます。
もう一息で負けるわけです。特にレスリングなどの格闘技では一瞬で決まることもあります。悔しいのはあたりまえです。
もう一人、同じレスリングの浜口京子は銅メダルを素直に喜んでいました。
見ているほうに「え?優勝か?」と勘違いさせそうなほどでした。
浜口も優勝を確実視され、それを念じていたはずなのに、です。
銅メダルつまり3位は、トーナメントの場合、一度準決勝で負けます。
メダルが取れないかもしれないつらい状態に落とされますが、次の試合があるために悔しがっている暇はありません。
気をとりなおし、集中して最後の試合に臨み、そして勝つわけです。これが嬉しくないはずがありません。
そこで素直な喜びの言葉が出やすいのでしょう。大げさですが、どん底から這い上がった喜びです。
人柄の差からくるだけでなく、そういった感情が自然に出て当然な状況なのでしょう。銀の次の銅ですが、その時は喜びの方が強いのです。
普通の人生の中でも同じようなことが言えます。いわゆる順調に生きてきた人、挫折を味わったことのない人はもろくくずれやすいと言われます。
何かつらいことがあると、やりきれない気持ちを、人への恨みなどに転化させがちです。
一方、曲折を経てきた人の多くは、何にでも感謝できる気持ちで生活しています。
人が、あることについて無敵であっても、その人生全体で見ればすべて順調であることはなく、無欠ではありえません。
また、連戦連勝の強さを誇っていても、いつかは衰えがきます。
そこで、何もことさら負けてみろということではありませんが、負けたときの心構えは、常にしておきたいものです。
何かを達成するために心を熱くすることは大事ですし、負けて悔しがることも次のためのバネとして大いに必要です。しかし、勝っておごらないのと同じく、負けてもくさらない。落ち着いた心持で生きたいものです。
(小波盛佳 Moriyoshi Konami)
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