ペナンで体験したこと、考えたことを載せました。
(10)、(11)を追記しました。 2009/5/26
■ (1)通貨とレート
マレーシアリンギッド(リンギ、RMと略記される)が使われています。
つい最近までは1RMが35円程度だったのが、この円高で27円程度になりました。
両替手数料は、現地では1〜2%程度です。
それなのに、成田空港ではなんと15%程度の手数料をとられました。
2か所で確認してそんなものかと思ったのですが、
さらに使わなかったリンギを成田で円に戻すとすれば、約30%も捨てることになり大損です。
ドルやユーロは日本で両替すればいいわけですが、
メジャーでない通貨は、その本国で両替する方が得だということを認識しました。
また、どの国でもそうですが、ホテルや旅行業者は、一般に両替屋よりやや割高です。
■ (2)乗り物
長期滞在する外国人が車を持つのは優遇されています。
外車購入には多額の関税がかかりますが、滞在できるビザをあれば日本から持ちこんだ車は無税になります。
イギリス植民地だったので、車は左。すなわちイギリスの技術を取り入れた日本と同じでほっとします。
一方、バスもタクシーも大変安いので、普通の生活にはそれでも十分です。
ちなみに、バスは繁華街まで1.5リンギ(約40円)です。
■ (3)買い物
値切るという習慣は、大方の日本人にはありませんが、ここでは普通のようです。
市場で時々やっている夜店などはどうみても交渉次第でしょう。
単価を出している市場の野菜などは値切れないと言っていましたが、売れ残りそうだったら、
きっと安くしてくれるでしょう。
空港のアクセサリーを値切ったら、いけちゃったよという人もいましたので、
どこでなら値切れるのか見当がつきません。
値切り上手の人は言葉が分からなくても電卓で意思を示しながら試してみるとよさそうです。
”BUY 1 FREE1(一つ買えばもう一つは無料)”という表示をあちこちで見かけましたが、
「2つでいくら」より、すっきりしていて効果的なキャッチフレーズです。
宿泊したホテルはリゾート地のタンジュンブンガにありますが、そこから比較的近いショッピングセンターは、
アイランドプラザとガーニープラザで、いずれも日本のデバートに近い雰囲気です。
デパ地下にあたる食品売り場も同様です。
日本にあるスーパーと同等の食糧を得たいと思えば、ここらがよいでしょう。
概ね日本並みの衛生状態と言えそうです。日本の調味料などのコーナーもあります。
他に日本食品をそろえた専門店もあり、そこに行けば日本からのブランド米、
各種の納豆、日本酒、焼酎などたいていのものはそろいます。
一方、地元の人たちが利用する市場でも特に不衛生ということはないので、そこで購入したものでも十分です。
ただ、高温多湿なので注意は必要です。
O-157騒ぎ以来、日本の学校給食でもなまものは出さないぐらいですので、
野菜でも原則として火を通すといいのでしょう。
■ (4)食事と食べ物
食事は、全体においしいと言えます。
まずいものがほとんどないというのは、同じアジアなので味覚の嗜好が近いからかもしれませんが、
インド料理屋のカレーやドイツ料理でも特に違和感を覚えませんでした。
もちろん日本の繊細な料理を基準にすると少し違うという人もあるでしょうが、
よほどのグルメな人でない限り問題はないでしょう。
ただ、長期間になると、日本の食事が恋しくなるのは仕方ありません。
それはしばらく病院食を食べていると、しっかり味付けした普通食が食べたくなるようなものです。
その土地の料理に馴染めるかどうかは人によって差があります。
食事の費用は、普通のレストランでも日本の三分の一ぐらいです。
屋台ではもっと安いようですが、あまり利用する機会がなかったのでよくわかりません。
ひどく不衛生ということはなく、日本人もよく利用しているようです。
利用する機会はありませんでしたが、街には日本料理店もあります。
中華料理も日本人での味とあまり差を感じませんでした。
まあ、外国に出かけて食事に困ったら中華料理店に行け、というぐらいですから、
ほとんどはずれがないという意味で中華はお勧めです。
アルコールは日本と同じか高価です。
比較的安い地元のJAZ beer をレストランで頼んでみましたが、日本のビールとおおむね同じです。
大ビンで10RM程度でした。酒を売っている店でも同程度かむしろ少し高かったほどですので、
レストランは酒では利益をあまりとっていないと感じました。
宗教上アルコールを飲まない人たちが多く需要が低いので、主に料理で採算をとっているのでしょう。
ガーニープラザの地下では、ソフトクリームの小さいものが、1.2RM(35円)と安く食べられました。
これは日本と変わらずおいしく手ごろでした。
ペナンでは熱帯の果物が豊富にとれます。
マンゴー、パパイヤ、ドラゴンフルーツ、バナナ、ココナツヤシ、ジャックフルーツ、ドリアン、マンゴスチン、
スイカ、パイナップルなどがあります。りんごはもちろん、ブドウやみかんなどは輸入です。
常夏ですので年中とれそうなものですが、それなりに季節があってすべてがいつもとれるわけではありません。
マンゴスチンはこれからだということでした。
マンゴーは、よく見かける黄色いものの他に青く固そうなものがあります。
単に未完熟かと思って買わなかったのですが、
少し違う種類で中がオレンジと黄色のがあってそのまま食べられるようです。
■ (5)観光
ガイドブックなどによれば、世界遺産のジョージタウン市内観光、寺回りなどがあります。
それは次の機会にして、Bさんのお誘いで、多くの人たちが「ホタル観賞ツアー」に出かけました。
川岸のあちこちの木が鈴なりのホタルで点滅して光っているのを船で下りながらながめるものです。
どちらかというと、ホタルは飛び回るという印象だったのですが、
ここでは木を中心に少し飛ぶぐらいの動きが主でした。
ここでは、止まる木の種類が限られているようで、一つの木から隣へはあまり移らないのかも知れません。
始めのうち、飾り付けられたイルミネーションのようなので不自然に感じましたが、
もちろん人工のものではなく、日本でホタルを見るのとは全く違う気分で楽しめました。
観光ではありませんが、ココナツクラブ主催の「長期ステイのための体験ツアー」に参加しました。
これは、期間の長さを問わずペナンを訪れる人にとって貴重な体験をさせてくれるものでした。
■ (6)ホテルでちょっと不便なこと
ホテルの生活は、まずまずです。
つまり、部屋は広いし、プールで泳げて、ビーチにも出られてるながめはいいしで、とても気分がいいのですが、
バスやトイレの水周りが今いちです。
最初湯が出ていて途中から水になってしまうとか、なかなか流せないとかで、ちょっと不便でしたが、
そのうち慣れてきました。
流せないトラブルは、最後のころ、いつのまにか直ってしまっていました。
個人の家でも事情は同じだそうです。
考えると他の外国でも結構そういうことは多く、
日本ではそういったものが完璧すぎるので不満に感じるのかもしれません。
■ (7)長期ステイの生活
2名の方のお宅を拝見し、他に1名の方の事情を伺うことができました。
Eさん夫婦
夫婦で2年半滞在。生活費は家賃を含めて月20万円程度。
日本へ帰ったりちょっと旅行したりする費用を含めても、月25万円でなんとかなるということでした。
ご主人は元事務系と言いながら、パソコンが趣味だそうで、パソコンをご自分で組み立てておられるようでした。
概ね満足している中で、ならんだ列への割り込みなどマナーがやや悪いのが気になるそうです。
奥さんは習い事で手芸などをやっておられて立派な作品を見せていただきました。
日本に残した家のメンテナンスが必要なので、年2回ほど帰国されるのだそうです。
Fさん
定年退職後、日本での荷物はほとんど処分してトランク2つでペナンにこられたそうです。
荷物を減らすために写真も大半を焼いてきたというお話に、古い生活にきりをつけたと思い切りのよさを感じました。
女性おひとりということもあり、常に門番が見張っていてセキュリティのしっかりした、
それでいてとてもおしゃれなコンドミニアムに住んでおられました。
家具のみならず鍋釜、食器まですべて備え付けで、2、3年たつのに私物はほんの少しという、
引っ越し当初とあまり変わらない暮しをしておられました。
Gさん夫妻
小学校1年ぐらいのお孫さん一人を国際学校に通わせながら住んでおられるご夫妻で、
少なくとも高校を卒業する時期まではペナンに住まれるということでした。
日本で自分たちが住んでいた家は処分し、日本に帰った時は空家になっている実家に滞在するということでした。
どのコンドミニアムも、玄関ドアの前に鍵付きの格子戸がありました。
空き巣などの犯罪もあるようですが、日本でも最近多くなっており、どちらが多いのかは分かりません。
みなさん、インターネットを活用しておられました。
ネット時代になり、ちょっと工夫すればいつでも世界中の最新のニュースが手に入り、また発信できるので、
自分の好きな場所に住んでも、情報から閉ざされてしまうことにはならなそうです。
■ (8)サウナ、マッサージ
マッサージ屋は、日本と同様に、あちこちにあります。ココナツクラブに聞いて、
BAYUという地元のマッサージ屋さんに行きました。
1時間48 RMで足裏マッサージ。少数の先住民族かなという腕っぷしの強そうな女性が出てきました。
うんと強くと頼んだので力を入れていれましたが、足指の部分を強くゴリゴリやられて飛び上がると、
屈託なくにこっとしました。
全身マッサージでは、オイルを塗って強く押しながらさすっていきます。
日本での指圧に近いやりかたなら、ツボ押しで肩コリがほぐされて楽になりますが、
それに比べると物足りないかもしれません。全身をリラックスさせる感じです。
もっとも、パンフにはタイ式、日本式、指圧式が書いてあるので、バリエーションがあるはずですが、
特に要求しないのでタイ式になってしまったのかもしれません。
これは、通常60RMのところ、昼のHAPPY HOUR(10:00−14:00)で48RMとお得でした。
このHAPPY HOUR という表現はあちこちで見かけましたが、「しあわせ」を感じるよいネーミングです。
街中でも料金はほぼ同じだったので、足裏もみをやってもらいました。
あまり変わりませんが、ちょっと迫力が足りません。
隣で面白そうなのがあったので、それを頼みました。
ロウ紙を丸めた先を耳穴に差し込み、反対側に火をつけるものです。
耳の中がいくらか温まり、7、8分で終了。
何に効くのかもわかりませんがこれだけで25RMもとられてしまいました。
好奇心の対価です。
Bさんが、1年前に来た時、古式のサウナとマッサージの店があったというので、
みんなで一緒に連れていってもらうことにしました。
しかしその店があったはずの一帯は開発のために立ち退きにあったと見えて、
あちこちに基礎部分と残材を焼いた跡だけが残っていました。
通りかかった人に聞いて親切に案内してもらったところは、市場の隣のあまり整備されていない場所でした。
ちょうどひどいスコールになって、仮設されたばかりのトタン屋根から雨漏りがしました。
それをあわててガンガン叩いて直しているのには笑ってしまいました。
しかし、この商売で生計を立てている夫婦らしい人たちの真剣さに、
遠い昔、私の両親が精米所の不具合を一緒に直していた姿を思い出しました。
発展途上だった50年ばかり前の日本にそっくりです。
糖尿や高血圧によいという生薬のお茶を飲み、古式薬湯サウナに入りました。
男女の部屋間はカーテンで仕切られているだけで、向こうが覗ける状態でしたが、
実際には湯気もうもうでほとんど見えません。
薬湯の蒸気はなかなかのもので、鼻がすーっと通る快感がありました。
一人8RMはまあまあですが、地元の人にはかなり高いのかもしれません。
タオル代がただというのは、Aさん妻のネゴ交渉の成果です。
マッサージできる部屋はこれから整備するということで、まだ利用できませんでした。
立ち退き補償がうまくもらえていれば、来年にはマッサージ室を含めた立派な建物になっているかもしれません。
■ (9)医療
体験ツアーで、医療が充実しているという私立病院を案内してもらいました。
そこにはその案内者を含めて日本語が分かるスタッフが4人いるそうです。
こういった設備と、日本人対象のスタッフが充実しているので、長期ステイでも大丈夫なのでしょう。
公立の病院は新人が多いので医療レベルが低く、また小さな医院は風邪程度が対象と説明されました。
制度化された医療保険は入院、手術レベルだけに適用されるもので、
また、その保険制度にも、日本のように全国民が入っているわけではないそうです。
日本の海外旅行保険には日本語で相談を受けながら治療サービスを受けられるものがあり、
費用も含まれていて安心なようです。
■ (10)滞在の期間と費用
短い滞在ならホテル、中期滞在や長期すなわち居住ならコンドミニアムというのが常識的な分け方ですが、
人の価値観によってその選択には差があります。
おおざっぱな参考として、夫婦2名で考えてみましょう。
パラダイスホテルでは、ベッドルームが分かれているスイートルームとして、
ホテル単価1泊 310RM
14泊以上 210RM
30泊以上 180RM 146000円/月・2名
コンドミニアムは、ヒヤリングを総合すると、概ね3か月以上で、6〜9万円/月程度
これは、条件によって大きく違うので、もっと安くあげられるところもあるかもしれません。
長くなるほど単価が下がる傾向ですが、
最近、短期滞在型ツアーが大幅に値下がりしているので、その1例を挙げると、
往復とホテル滞在7泊朝食付で 60000円
2名として120000円
延泊が可能なら合計2週間程度にして、2人で往復込み17、8万円程度でいけそう。
滞在型でなく、拠点型とでも呼んだ方がよさそうですが、忙しがりの日本人にはこれも一つのパターンでしょう。
インターネットがあれば長期滞在しても大抵のことはできそうです。
しかし、孫や老親の世話など生活の基盤が日本にある人は、2週間ぐらいたつと落ち着かなくなりそうなので、
1か月未満かなと。これは私が現在感じているところです。
生活などがもう少し落ち着いたら、長めに考えられるかもしれません。
ペナン側では、年の単位の滞在型が増えるのを望んでいますが、
日本人でそれに応じて住んでいいる人は今のところ1000人程度のようです。
■ (11)インターネット
インターネットは、もはや必需品になりつつあります。
メールを何日もみないとなれば、多くの人が支障を感じるでしょう。
ホテルでは、そのために、インターネット回線を準備しています。
フリーメールまたはサイトの閲覧だけでよければ、パソコンを持っていかなくても
時間いくらで使えるところも増えています。
パラダイスホテルは、上層階から順に整備しているという話で、
自分が泊まった部屋は、持ち込んだパソコンが何もしないでつながりました。
ADSLのためにやや遅く感じましたが、まあまあです。
他のホテルやコンドミニアムでも、グレードによりますが、進めているようです。
ホテルの前で工事していたので聞いたら、ちょうどそのインターネット用の光ファイバー配線でした。
なんと、一般の排水溝の底に並べていくだけ、つまりマスのところで覗くと見えるぐらいの簡単なもので、
いつ切れるか分かりませんが、整備は急速に進んでいます。
なお、パソコンは、日本語用を日本から持っていかないと、おそらく不便を感じると思います。
(小波盛佳 Moriyoshi Konami)
・読みにくい場合は,ブラウザの窓を狭めるなどしてみてください。
・これからも付記・修正していきます。ご意見などをお願いします。
・画像は、クリックすると大写しで見られます。
© 2001-2019 小波盛佳
連絡メール >
HOME:
小波盛佳オフィシャルページ >「家庭円満」などあり