「技術士法」に基づく国家資格で,「技術士第二次試験」に合格し技術士登録をした技術者に与えられる称号です。 技術士法では、「技術士」とは,技術士に基づく登録を受け,技術士の名称を用いて,科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画,研究,設計,分析,試験,評価又はこれらに関する指導の業務を行う者であることが規定されています。
技術士は高度な科学技術を応用する対象に対して,その課題を解決するための具体的な実施方針を示し,指導することが得意なプロの技術者です。 建設業などでは特に技術士資格が法的に重要視され、技術士(建設部門)の資格に挑戦する1級建築士が多くなっています。
最近では諸国の相互承認技術者であるAPEC(アジア太平洋経済協力)エンジニアの資格要件の一つとして,認められようになりました。 日本の一般社会では知られることが少ないのですが,類似の資格として,先進諸外国には多くのPE(CE)がいて,たとえば米国では日本の10倍ほどのPEが活躍しています。
「技術士補」も国家試験(「技術士第一次試験」)に合格し,登録した人に与えられる称号です。技術士補は技術士を補助し,短い年限で第二次試験が受験できます。
技術士および技術士補には,技術者倫理を守って業務を行う、特に顧客の守秘義務を遵守する義務が法律で課されています。
試験については,技術士会のホームページで知ることができます。技術士試験の受付締め切りは例年4月で,筆記試験は8月,口頭試験が12月頃です。1〜2年の勉強期間で合格する人が多いようですので,試験日に関係なく,あなたも今,思い立って始められることをお奨めします。試験についての不明点などがあれば,可能な限りお教えします。
APEC(アジア太平洋経済協力)域内で,技術者の相互承認を行う枠組みができあがり、我が国でもCivil(土木)とStructural(構造)の分野での審査受付登録が2000年末より行われています。
この相互承認プロジェクトでは,我が国を含む7エコノミー(日本の他、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、香港、韓国、マレーシア)において、2000年11月1日以降、APECエンジニアの審査・登録を開始することが承認されています。以後,相互承認の実現のための2国間または多国間の協議の段階に移っています。
これには,技術士と一級建築士を主な対象としています。当面、9分野の技術部門を対象とすることとなっており,Civil(土木)とStructural(構造)以外の分野も対象とする準備が進められています。(2002.5現在)
(こなみ もりよし)