>> 粉体設備・機械の計画・設計における留意点ー                小波盛佳

技術者としての経験に伴う知見をお伝えします
2018年06月
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■ セミナー案内

 粉体の単位操作に関する書籍はあるが、粉体プロセスの組み立て方を記述したものはほとんどない。それは、物性の把握が難しいためにハンドリングが容易でなく、また特殊な機器が多いことなどが、その定式化を阻害しているからであろう。
 まず粉体を扱う基本的なコツを説明し、プロセス値を決める考え方、プロセス組み立ての手順、配置計画、バッチと連続の組み方、タイムスケジュール、設備の臨機応変性について解説する。最後に粉体プラントのトラブルについて例を挙げながら説明する。本講では、技術者が粉体プラントの計画・設計を行う中で経験したこと、考えてきたことを整理し、実際に役立つ例を多く挙げ、「難しいことも分かりやすく(受講生評)」丁寧に解説する。
 テキストは連載したものに加筆した、分かりやすい文章形式になっていて復習に役立ち、トラブル時にそのまま参照できる。本講座は、粉体設備全体はもちろん、粉体機械の計画、設計にも有用である。

■ セミナーのプログラム

第1章 粉体を取り扱うコツ
1. 粉体、粒体、ナノ粒子の違い(サイズによる取り扱いの違い)
2. 粉体、ナノ粒子の効用(粉体の形状で扱う利点と特徴)
3. 粉体と液体の違い(設備における差を多面的に解説する)
4. 粉体を扱う上での落とし穴(扱いの違いに影響する物性を明確にする)
5. 面倒な扱いをなくすために(扱いの難しさを数値化してトラブルを抑え込む)
第2章 プロセス値の決め方
1 プロセスの基準となる物性値
2 プロセス用物性値の測定例
3 スケールアップの基準
4 補外(外挿)の難しさ
5 処理能力の適正な余裕
第3章 プロセス組み立ての流れ
1 プロセス組み立ての手順
2 ブロックフローの作成
3 プロセスフローの作成
4 輸送方法の特徴とプロセスへの適用
5 機器データサマリー(機器の主要仕様リスト)
6 エンジニアリングフローシート
第4章 粉体プラントの配置
1 プロセスと配置
2 高さ関係からみた配置
3 粉体を移動させる方向と方法
4 配置計画で考慮すべき点
第5章 バッチ(回分)処理と連続処理
1 バッチ処理と連続処理の長短
2 粉体の単位操作におけるバッチと連続
3 バッチか連続かの選択
第6章 タイムスケジュール
1 プラントの処理能力とタイムスケジュール
2 故障を考慮した生産計画と保証
3 複数の空気輸送機の並列運転
4 並列の多くの装置を均等に使用する方法
第7章 設備の臨機応変性
1 プロセスに影響を及ぼす生産の変更と基本的な対応
2 製造ラインの系列数
3 ハンドリング上の対応
4 配置の変更への対応
5 洗浄のシステム
6 移動容器システムの採用
7 制御システムの対応
第8章 粉体プラントのトラブルの分析と対策
1. トラブルに対する心構え
 1.1 トラブルは発生する
 1.2 原因はさまざまである
 1.3 トラブルに対する心構え
2. トラブルが発生する工程とトラブルの内容
3. 粉体トラブルの具体的な事象
4. トラブルが発生するタイミング
5. 取り合いにおけるトラブル
 5.1 全体配置上の問題
 5.2 機器の付属物による配置上の干渉
 5.3 取り合い部の規格と所掌範囲
 5.4 分野ごとの常識の違い
6. 実際のトラブルと対策の例
 6.1 空気輸送配管の施工不良による食品調味料の閉塞
 6.2 特殊カオリンの貯槽での閉塞とシュートへの付着
 6.3 輸送機が原因の粉じん爆発
7. プラントのスケールアップ比率
 7.1 流体(気液 プラント
 7.2 微生物を扱う発酵プラント
 7.3 医薬品製造プラント
 7.4 粉粒体プラント
8. スケールアップに伴うトラブル
 8.1 偏析トラブル
 8.2 高濃度空気輸送
 8.3 機械式輸送
 8.4 貯槽の粉体圧
 8.5 供給速度
 8.6 フラッシング(噴流)
 8.7 凝集、付着、固結
 8.8 粒子の軟化
 8.9 ジェット(高圧気流)粉砕

■ 付録資料

(こなみ もりよし)


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